Clash Verge Rev で「最初の一環」から TUN まで押さえる
Clash Verge Revは、デスクトップ向け Clash 系 GUI のなかでも画面構成が整理されやすく、Mihomo(旧 Meta)コアの切り替えやログ閲覧まで含めて日々の運用に向いたクライアントです。本記事では、検索されやすい実作業の軸にそろえ、インストール/上書き更新 → 購読(サブスクリプション)取り込み → プロキシグループの理解と選択 → システムプロキシと TUN のオンオフ → 典型的な詰まりの取り扱いまでを一気通貫で扱います。
すでに別の Clash クライアントを使っている場合も、一度終了してから Verge Rev を入れ直すことでポート競合を避けやすくなります。複数のプロキシアプリを同時に常駐させないのが、不安定さを減らす近道です。
利用は自己責任で:プロキシ/VPN は国や契約により制限がある場合があります。利用規約と法令を確認し、許された範囲でのみ利用してください。
始める前に:画面で出る用語だけ短く整理
- プロフィール(Profile):購読やローカル YAML から読み込んだ設定一式。Verge Rev では一覧で「今どれが有効か」を切り替えます。
- 購読 URL:プロバイダのダッシュボードに表示される長い
https://…。これを貼るとクライアントが定期的にサーバー一覧やルールを取りにいきます。 - プロキシグループ:YAML 上の
proxy-groupsに相当し、画面上では「PROXY」「自動選択」「故障転送」などとして現れることが多いです。 - モード(Rule / Global / Direct):ルールテーブルを使うか、出口を一括でプロキシに寄せるか、直結固定にするかの切り替えです。普段は Rule が扱いやすいです。
- システムプロキシ:OS の HTTP(S) プロキシ欄にローカルの混合ポートを登録する方式です。ブラウザなどプロキシ対応アプリへの効き方が分かりやすい反面、CLI だけでは抜けがちです。
- TUN:仮想ネットワークアダプタ経由でパケットを Clash 側へ引き込む方式です。権限や他社 VPN との競合に気をつける必要がありますが、プロキシ非対応アプリやターミナルツールまでまとめてルールに載せたいときに有用です。
インストールと上書き(Windows/macOS の注意点)
配布物は公式リリースページや信頼できるミラーから取る習慣をつけてください。検索上位の「名前だけ似た」サイトは、実行ファイルが差し替えられているリスクがあります。当サイトの ダウンロード一覧から辿る方法も、入り口を固定するのに向いています。
Windows
- 既存の Clash 系クライアントが動いていれば、タスクトレイから完全終了します。
- 新しいインストーラを実行し、ユーザーアカウント制御で発行元が期待どおりか確認してから許可します。
- インストール後、セキュリティソフトのリアルタイム保護が初回起動をブロックしていないかだけ見ます。止めるのではなく、必要なら例外に追加します。
- タスクトレイのアイコンから設定を開き、バージョン情報でアプリとバンドルされているコアの種類を確認できる場合は一読しておくと、後のトラブル時に役立ちます。
macOS
.dmgや.zipを展開し、Applications へドラッグします。Apple Silicon と Intel でパッケージが分かれている場合は、自分の Mac に合ったものを選びます。- 初回起動でブロックされたら、システム設定 → プライバシーとセキュリティから許可するか、右クリック→開くでゲートキーパーを迂回する古典的手順を取ります。
- OS のバージョンによってはローカルネットワークや着信接続に関する許可ダイアログが出ます。プロキシ用途では許可が必要になることがあるので、説明を読んだうえで判断します。
上書きインストール後に設定が消えたように見える場合、別ユーザー環境やポータブル版と通常版の保存先違いを疑ってください。バックアップとして、動いていた時点の購読 URL は必ず手元のパスワードマネージャなどに退避しておくと安心です。
Mihomo コアとプロフィールの準備
Verge Rev は内部でMihomo(Meta)コアを動かす前提のことが多く、購読の中身が新しいトランスポートを含む場合でも追従しやすいです。設定画面に「コアのダウンロード」「バージョン切替」があれば、リリースノートで推奨が示されていない限り安定版側を選ぶとよいです。
- コアの更新直後は一度だけサービス再起動(アプリの終了と起動)すると、ハンドルやポートの取り違えが減ります。
- 古い
config.yamlを手でいじりすぎていると、GUI が書き戻せず不整合になることがあります。最初は購読中心で運用し、カスタムは差分が分かってからにすると安全です。
購読(サブスクリプション)の追加と更新
代表的な流れは次のとおりです。
- メニューからプロフィール/Profiles/Subscriptionなどの画面を開きます(表示名はビルドで多少変わります)。
- 名前を分かりやすく付け、プロバイダからコピーした購読 URL をそのまま貼り付けます。前後に空白や改行が入ると失敗しやすいです。
- 更新ボタン(Download / Update)を押し、成功するとプロキシ一覧やルールが読み込まれます。
- 自動更新間隔は短すぎない値にしてください。プロバイダ側でレート制限に引っかかると、一時的に全体が取得できなくなります。
取得結果が空、あるいはエラーになるときは、ブラウザで同じ URL を開いてHTML のエラーページになっていないかを最初に確認してください。認証ヘッダや User-Agent を変える必要がある提供者もありますが、その場合は公式の案内にだけ従うのが安全です。
複数購読:仕事用と個人用などを分けるときは、プロフィールを分けておき、切り替え時にどちらが有効かをタイトルで判別できるようにしておくと切り替えミスが減ります。
プロキシグループとモードの読み方
購読が入ると、画面上にいくつかの「まとまり」が現れます。典型的には次のようなタイプです(名称はプロバイダやルールセット次第で異なります)。
- Select(手動選択):自分でノードを指名します。地域を試したいとき向けです。
- URL-Test(遅延テスト):指定 URL への応答が速いノードを自動で選びます。手を止めずに回したいとき向けです。
- Fallback:優先順に並べ、死んでいる出口を避けます。安定重視の自動系です。
- Relay など特殊な構成:提供者側の設計に従い、説明が無い場合はむやみに触らない方が無難です。
モードについては、普段は Rule を選び、意図を確認するときだけ一時的に Global を試す、という進め方がおすすめです。Rule のまま「国内サイトだけ遅い/海外だけ繋がらない」といった症状が出たら、プロキシグループ側で出口地域を変える前に、ルール先頭で DIRECT になっていないかをログで確認すると早いです。
システムプロキシをオンにする(まずここから)
初回はシステムプロキシのみをオンにし、ブラウザで意図したサイトが開くかを確認すると切り分けが簡単です。Verge Rev ではトレイメニューや設定ページに「System Proxy」「システムプロキシ」などのトグルがあることが多く、オンにすると OS のプロキシ欄がローカル混合ポート(例:127.0.0.1:7890 など)を指すようになります。実際の番号は設定画面の表示を優先してください。
オフに戻す操作も同じトグルで済むため、作業が終わったら戻しやすいのがメリットです。企業ネットワークでは管理ポリシーがシステムプロキシを上書きしている場合があり、そのときはセキュリティ担当の許可範囲を確認する必要があります。
TUN モードを有効にする(CLI や非対応アプリまで載せる)
TUN は仮想アダプタを作成し、OS が出すフローを Clash のルールテーブルに載せます。git や npm、一部のゲームランチャーなど、システムプロキシだけでは抜けがちな通信をまとめて扱いたい場面で検討します。
- 他社 VPN や別の TUN 利用アプリが動いていれば、すべて終了します。同じレイヤーを二重に握ると、片方だけログが沈黙します。
- Verge Rev の設定で TUN に相当する項目をオンにします。Windows では管理者権限や仮想アダプタのインストール確認が出ることがあります。
- 有効化後、接続ログに期待どおりのドメインがヒットしているか、数サイトだけ試します。
- DNS が期待とずれる場合は、プロフィールの
dnsブロックやクライアント側の DNS ハイジャック設定をドキュメントに沿って見直します。いじりすぎると逆に名前解決だけ失敗します。
TUN は便利ですが、権限・競合・DNSの三本柱でつまずきやすいです。まずシステムプロキシで「出口とルールは健康か」を確認してから TUN に進むと、ログの読み方が段違いになります。
うまくいかないときのチェックリスト
- 端末の時刻が大きくずれていないか(TLS 失敗の典型原因です)。
- 拡張機能がブラウザ側で別のプロキシを指定していないか。
- ログに
403、timeout、TLS、DNSなどのキーワードが出ていないか。プロバイダのステータスページとあわせて見ます。 - 同一ポートを奪い合うアプリが残っていないか。特に開発用の別プロキシや古い Clash 常駐に注意します。
- Wi-Fi がログイン前のキャプティブポータル状態では、購読取得も失敗し続けます。
よくある質問
混合ポートと TUN、どちらを意識すればよいですか
システムプロキシ運用では混合ポートの番号が中心です。TUN をオンにしたあとは、まずルールに乗ったかログで確認する癖をつけると、トラブル時に原因が線になります。
アップデート後に動かなくなりました
コアと GUI の組み合わせが変わると、手元の旧スキーマが非互換になることがあります。購読を再取得し、それでもダメなら一時的にデフォルトのプロバイダ推奨ルールセットへ戻して切り分けてください。
2 台の PC で同じ購読を使って問題ないですか
提供者の同時接続数ポリシーによります。接続枠を超えると、見た目は「突然遅い/途切れる」になることがあります。ダッシュボードの数値と合わせて確認してください。
単機能クライアントより Clash 系(Verge Rev)が楽な場面
単一プロトコル専用の軽量クライアントは、初速は速い一方でルールの表現力や購読の自動更新、ログからの逆引きが弱いことがあります。また開発が止まった GUI は新しいトランスポートに追従できず、「購読は取れるのに一部ノードだけ永続的に失敗する」といった状態に陥りやすいです。
一方、Mihomo コアを前提とした Clash Verge Rev は、プロフィールの切り替え、プロキシグループの操作、接続ログの閲覧が一つの画面にまとまっていることが多く、「今どのルールに当たったか」を追いかける学習コストが下がります。システムプロキシで足りる日と TUN が必要な日をトグルで切り替えやすい点も、開発や動画取得など用途がバラつく環境では効いてきます。
配布チャネルが分散しがちなので、OS 別に整理された公式の入手経路から揃えるのが安全です。下のリンクから各プラットフォーム向けビルドへ進めます。